徒然草 第115段 感想
徒然草の魅力のひとつは筆者である兼好法師の眼を通しての人間の再発見だと思っているのだが今回もそうした話である。
以下、感想をランダムに。
・ネーミング
「ぼろぼろ」のインパクト大。
・既視感
なにかの映画でみたような話・・・しかし具体的に作品名は思い出せない。
(ちなみに既視感の不思議については71段)
・口調の矛盾
説明によるとぼろぼろという者たちは荒くれ者っぽいのに二人とも物言いが丁寧すぎる気がする。
・80段との関連
「死をやすくして後、初めて名を顕はすべき道」
このことを武士でもなんでもない、ぼろぼろと呼ばれる無頼の徒の二人が身を以て示した。
兼好はそのことに驚嘆し、記さずにはいられなくなった。
彼がいかにも嫌いそうな者たちがこんなことをやってのけたというのがポイントで、両人ともあっぱれということか。
・朗読中のこと
「いろをし」のところを読んでるとやたら気が大きくなった^^
あたかも自分が生に執着せず、いつでも死ねる覚悟になった気分であった。