日日遊心

幸田露伴の歴史小説【運命】の現代語勝手訳その他。Done is better than perfect.無断転載お断り。

【書評】危険な世界史(中野京子・角川書店)

・危険な世界史(中野京子角川書店)のレビュー。

18-19世紀の西欧史の面白くちょっと怖い?エピソード集。同じ著者の「怖い絵」のようなドロドロした歴史ミステリ風味を勝手に期待していたのでちと拍子抜け。しかし史眼の確かさや語り口の巧さは健在。パラパラめくって好きなところを気軽に読める。「怖い絵」のような毒もそれなりに感じるが、何しろ一話が2ページほどなのでテンポ良く読める反面、物足りない一面も。さあこれから話が展開していくぞ、という直前であっけなく終わっちゃう感じだ。(元々、新聞の連載をまとめたものらしい。)まあそれでも、十分楽しい。やはり歴史を学ぶ面白さは人間の発見にあるのだなあとしみじみ。